仕事・出勤前の腹痛を和らげ、過敏性腸症候群を予防する腸内フローラ

仕事・出勤・登校前の腹痛を和らげ、過敏性腸症候群を予防するための腸内フローラ改善方法について述べています。

食物繊維が過敏性腸症候群の予防と腸内フローラ改善に効果的な理由

仕事・出勤・登校前の突然の腹痛を和らげ、過敏性腸症候群を予防するためには、腸内細菌の集まりである腸内フローラを改善することが大切です。

そして、その腸内フローラ改善のために特に重要な役割を果たすのが「食物繊維」です。

では、なぜ食物繊維が過敏性腸症候群の予防や腸内フローラ改善に効果的なのでしょうか?

その理由のひとつとして挙げられるのは、食物繊維が、腸内細菌のエサになり、腸内細菌のうちの特にからだに対して良い働きをしてくれる「善玉菌」を増やすことです。

 

また食物繊維には、腸を刺激して腸の蠕動(ぜんどう)運動を促す働きや、腸内に溜まっている毒素や有害物質を吸収し、体の外に排出するという毒出し(デトックス)作用もあります。

つまり、食物繊維によって腸内に溜まった便や毒素、有害物質などが体外に排泄されると、腸内環境はきれいになり、悪玉菌の増殖が防がれるため、腸内細菌の集まりである腸内フローラが整います。

 

もし腸内環境が、食生活の乱れや過度のストレスの連続などによって悪化してしまうと、腸内細菌のバランスが崩れて悪玉菌が増殖してしまいます。

またアンモニア硫化水素インドールやニトロソアミンなどの毒素や有害物質も腸内で発生するようになります。

そうなると体調不良や心の不調の原因にもなりますし、特にニトロソアミンは発がん性物質であるため、腸内環境が悪化することは、過敏性腸症候群だけではなく、大腸がんや潰瘍性大腸炎などの発症リスクも高めます。

 

しかし、食物繊維は腸内細菌のエサになったり、腸内環境をキレイにおそうじしてくれたりするため、普段から食物繊維を多く摂るようにすることは、腸内環境の悪化を防ぐことにつながっていくのです。

食物繊維の「発酵」によって生じる短鎖脂肪酸

さらに、腸に生息するビフィズス菌やバクテロイデスといった腸内細菌は、食物繊維から「発酵」と呼ばれる現象を起こし、「短鎖脂肪酸」を生じさせます。

この「短鎖脂肪酸」は大腸のエネルギー源になったり、肥満細胞に余計な脂肪が蓄積するのを防いだりする働きがあると言われており、近年、腸内フローラ改善のために注目されるようになりましたが、この「短鎖脂肪酸」が生成されることは、過敏性腸症候群の症状緩和にも効果を発揮すると言われています。

 

また、短鎖脂肪酸には大腸がんを防ぐ効果もあります。

したがって、食物繊維を豊富に含んでいる食材を普段から豊富に摂るようにすることは、腸内フローラの改善と過敏性腸症候群の予防・症状緩和におすすめなのです。

水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の違い

ところで、食物繊維には、水に溶けやすい「水溶性」と、水に溶けにくい「不溶性」の2種類が存在しています。

水溶性の食物繊維の特徴としては、サラサラ・ネバネバしており、摂取すると腸内の水分に溶けてゲル状になる性質があるため、栄養の吸収をゆるやかにしたり、血糖値の急激な上昇やコレステロールの吸収を抑えたりすることが挙げられます。

 

また、水溶性の食物繊維は腸内細菌のエサになりやすいと言われています。ちなみに先程の述べた「短鎖脂肪酸」が作られやすいのは、この水溶性食物繊維のほうです。

一方、不溶性食物繊維はザラザラ・ボツボツしており、腸内で便のかさを増す働きがあるため、腸内の不要な残留物を体外に排出しやすいという性質があります。

さらに、胃や腸で水分を吸収すると大きく膨らむため、腸を刺激してぜん動運動を活発にし、便通を促します。

そのため、不溶性の食物繊維は便通を促すことで便秘を解消するのに役立ちます。

 

◎水溶性食物繊維

ペクチン、グアーガム、イヌリン、グルコマンナン、βグルカン、難消化性デキストリンなど

◎不溶性食物繊維

セルロース、リグニン、アガロースペクチン、キチン、キトサンなど

・水溶性食物繊維が豊富に含まれている主な食材

わかめ、昆布、モズク、寒天、らっきょう、ごぼう、イチゴ、アボガド、納豆、雑穀類、切り干し大根など。

・不溶性食物繊維が豊富に含まれている主な食材

ごぼう、さつまいも、玄米、雑穀類、キヌア、チアシード、アボガド、大豆、納豆、切り干し大根、干ししいたけ、アーモンド、くるみ、落花生など。

 

食物繊維

腸内環境の悪化は食物繊維の不足が原因

ところで、近年、過敏性腸症候群や炎症性腸疾患の潰瘍性大腸炎、大腸がんなどの罹患率が上昇しているのは、なぜでしょうか?

このことに関してよく専門家のあいだで指摘されているのが、「日本人の食物繊維の摂取量の低下」です。

日本人は食生活が欧米化することによって、食物繊維の摂取量は年々低下してきています。

 

特に肉類や加工食品、ファーストフードの多くには、食物繊維がほとんど含まれていないため、普段からそのような食品ばかりを摂っていると、食物繊維が不足し、腸内細菌にエサが回らず、腸内悪化に拍車をかけるとされています。

そのため、普段の食生活において、野菜や海藻類、雑穀類などを摂るようにすることが食物繊維の不足を補うために大切なことだと言えます。

また、アフリカ人やメキシコ人は、食物繊維が豊富に含まれた野菜などをたくさん食べるため、便の排出量も多く、大腸がんなどの大腸系の疾患も少ないと言われています

したがって、腸内フローラを改善し、突然の腹痛を和らげ、過敏性腸症候群の症状を緩和したり、予防したりするためには、日頃の食生活で食物繊維が不足しないよう気をつけていく必要があると考えられます。

 

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