仕事・出勤前の腹痛を和らげ、過敏性腸症候群を予防する腸内フローラ

仕事・出勤・登校前の腹痛を和らげ、過敏性腸症候群を予防するための腸内フローラ改善方法について述べています。

そもそも過敏性腸症候群とは?

当ブログでは、仕事・出勤・登校前の突然の腹痛を和らげ、過敏性腸症候群を予防する方法について書いていますが、そもそも過敏性腸症候群とは何でしょうか?

過敏性腸症候群とは一般的に、強い不安や緊張、ストレスを感じたり、パニック状態に陥ったりした際に、腹部の辺りに強い不快感をおぼえるとともに、それが下痢や便秘のかたちで現れる症状のことです。

また、その便通異常には、下痢型・便秘型・下痢/便秘交代型という3つのタイプがあると言われています。

この過敏性腸症候群は、血液検査や内視鏡検査で異常が見つかりにくいこと、またストレスで悪化することから、心身症のひとつであるとされていますが、下痢や便秘が起こることから、大腸の運動や機能に障害が起こっています。

出勤・仕事前のサラリーマンやOL、登校前の学生・小学生などが急に腹痛に悩まされてしまうのは、この過敏性腸症候群と関係していますが、残念ながら原因は解明されていません。

そもそも過敏性腸症候群とは?

この過敏性腸症候群IBS)については、医学博士の松生恒夫氏が以下のように説明しています。

 

 過敏性腸症候群という症状があります。過敏性腸症候群とは、「腹部不快感や腹痛を伴うさまざまな排便障害や排便習慣の変化があるが、それらを説明しうる器質的疾患(たとえば大腸がんなど)や生化学的異常が見出せない腸管の機能的疾患」と定義されています。

 つまり便秘や下痢、腹痛などがあり、腸管の働きが異常だけれども、詳しい検査をしても大腸がんなどの病気や異常が見つからないということです。過敏性腸症候群の原因は、明確にはなっていません。現在のところ、考えられるさまざまな原因の中で、特に大きく関与しているのが「消化管の運動異常」と「消化管の知覚過敏」といわれています。消化管の運動異常とは、食後に起こるぜん動運動が激しく、また誘発されやすいこと、一方、消化管の知覚過敏とは、腸管壁が伸びることで痛みを強く感じやすいことと報告されています。(松生恒夫『腸に悪い14の習慣』 p182)

 

さらに松生恒夫氏は、この過敏性腸症候群は、「脳腸相関」も深く関わっており、「どうやら過敏性腸症候群の原因は、消化管運動異常や消化管知覚過敏をベースに、ストレスで脳腸相関の異常が起こり、これがお腹の症状を悪化させる病態といえるようです」としています。

ところで、急な腹痛が起きるからといって、過敏性腸症候群を患っているとは限りません。しかし、出勤前や登校前に不快な腹痛が頻繁に起こり、いつまでも治まらない場合は、過敏性腸症候群の疑いがあるので注意が必要です。

またおなかの不快な症状が長引くことは、生活の質をいちじるしく低下させてしまいますので、腹部の不快感がいつまで経っても治まらない場合は、重度の症状が現れる前に所定の機関で診察を受けるなど、何らかの対処が必要になってきます。

過敏性腸症候群と社会的心理ストレス

ちなみに、過敏性腸症候群IBS)に関して、医学博士の福土審氏は以下のように述べています。

 IBSでは、腹痛と便通異常(下痢や 便秘)が関連し合いながら慢性に持続するが、通常の臨床検査では愁訴の原因となる器質的疾患が認められず、心理社会的なストレスを受けると発症したり悪化 したりする。また、IBSの症状を持つ人は不安やうつになりやすい。IBSの症状は腸の問題、一方、ストレス、不安、うつは脳の問題である。このような意 味で脳腸相関がIBSでは重要な役割を果たしている。(福土審『内臓感覚 脳と腸の不思議な関係』p10)

 

 IBSの症状を発生・憎悪させる 一番大きな要因は心理社会的ストレスである。健康な人でも、心理社会的ストレスが負荷されると、腹痛が起こったり、便意を催したり、あるいは便が出にくく なったりする。しかし、その程度はごく軽度である。IBSと診断される人は、この現象がはっきりとあらわれる。そして、多くの場合、心理社会的ストレスが のしかかっているということに気づいていないか、気づいていても、それを言葉に出そうとしない人が多い。(福土審『内臓感覚 脳と腸の不思議な関係』 p93)

 

過敏性腸症候群の治療が難しいところは、このように心理的側面が発症に関係しているからだといわれています。

腸内フローラを研究している福田真嗣氏は『おなかの調子がよくなる本』のなかで「過敏性腸症候群は、神経質な人、まじめな人、責任感の強い人であればあるほど悩まされてしまう病気なのです」と述べていますが、過敏性腸症候群に悩まされる方は、サラリーマンであれ、小学生であれ、社会生活のなかで自分だけでは乗り越えるのが困難な問題を抱えている場合が多いとされています。

そのため、過敏性腸症候群の症状を緩和するには、腸内細菌のバランスを整え、腸内フローラを改善していく以外に、自分自身を大切にし、心をケアしていくことも、重要なな役割を果たします。

 

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