仕事・出勤・登校前のストレス・緊張・不安を和らげるための呼吸法とは?
仕事・出勤・登校前の急な腹痛を引き起こすストレスや不安、緊張などを和らげ、過敏性腸症候群の症状を予防するには、呼吸法を行うことが効果的です。
深い呼吸をするよう常に心がけている人は、時間に追われて前のめりにならず、また、周りに流されず自分自身で時間のゆとりを作り出すことができるのです。
そのようにゆとりを持てるようになる理由には、呼吸の働きが関わっています。
呼吸の際、腹圧によって上下する横隔膜は、リラックス効果をもたらす副交感神経とつながっています。
サラリーマンや学生に起こる仕事・出勤・登校前の急な腹痛や下痢・便秘といった過敏性腸症候群の症状には、社会生活の中での心理的なストレスが深く関わっているとされていますが、ストレス過多の状態は、副交感神経ではなく、自律神経のうちの交感神経ばかりを優位にしてしまうのです。
しかしリラックスによって優位になる副交感神経は心拍数を抑制したり、内臓の働きを活発にしたりするため、呼吸を深めることは緊張状態やストレスの緩和、さらには過敏性腸症候群の予防に役立つのです。
呼吸法は焦らずゆっくり、リラックスを心がけることが大切
世の中には様々な呼吸法がありますが、正しい呼吸法はありません。無理に「正しく呼吸しなくちゃ」と焦らず、リラックスを心がけて気持ちよく行うことが非常に重要なのです。
呼吸法を始める際は、座布団や床の上に胡坐をかいた姿勢でも良いですし、椅子に座っても構わないので、ゆっくりと鼻で呼吸を深めていきましょう。
ただしその際、姿勢は背筋が気持ちよく伸びるようにして、背が猫背のように丸まらないようにしてください。
また、吸うことも吐くこともどちらも大事ですが、吐くほうの時間を長めにすることが、よりリラックスする秘訣です。
最初は難しい呼吸法にチャレンジせず、腹式呼吸を行うよう心がけると、息の出し入れを深めやすいと思われます。
いつでもどこでも簡単に出来る腹式呼吸法
これからご紹介するのは、いつでもどこでも簡単にできる腹式呼吸法です。
まず、息を吸ってお腹をふくらましたら、息を長く吐き続けます。するとお腹がへこんでいき、全部吐ききってしまうと、今度は息を吸う際に、スッと自然に空気が鼻から入ってきます。
その時にお腹もまた、空気が入ってくることでふくらみます。その作用を利用してゆったりと軽く息を吸ったら、また、息を全部出し切るまでゆっくり吐き続けます。
吸う方は基本的に鼻で行い、吐く方は口で行うと、より呼気(吐く息)を多く吐き出すことが出来ます。その時は、口をすぼめるようにして息を少しずつ遠くまで吐き出すようにすると、長い時間吐き続けることが出来ます。
ちなみに息を吐く時間は、長ければ長いほどリラックス効果が増すので、最低でも10秒、 出来れば息を吐き切る感じで、15~20秒を目指してみましょう。
またその時に、身体の中に溜まっているイライラやモヤモヤを全て外に吐き出すつもりで、ゆっくりと息を吐いていくとより効果的です。
反対に、息を吸う時は、嫌な気持ちを全部吐き出した代わりに、きれいで澄み渡った清浄な空気が、身体の中に充満していくのを感じるようにします。
そして息を吐きながら身体をゆるめて全身が次第にリラックスしていくようにします。さらに、息を吸うごとに身体の中の苛々や焦り、怒りの感情などが消えていき、からだの中が透き通った空気で満たされていくのをイメージします。
さらに息の出入りを観察するようにすれば、より溜まったストレスは軽減されていきます。
ちなみに、呼吸法を行う場所を森林や湖がある公園など、自然を満喫できる場所に移してみると、リラックスにより効果的です。
ストレスや不安を感じるたびに深い呼吸を心がける
日頃、仕事などでプレッシャーがかかる毎日を過ごしている方や、職場や学校で解決が難しい困難な問題を抱えている方は、緊張の連続で眉間にしわが寄り、こめかみのあたりに力が入り過ぎていることが多いと思われます。
しかしこの呼吸法を行うことで、からだ全体を緩め、こめかみのあたりをゆるめ、出来るだけリラックスするよう心がけてみることをオススメします。
またストレスや緊張、不安を感じたと思ったら、すぐにフーっと、ため息にならないよう、息を意識的に長く吐き出して、深い呼吸をするよう心がけることも、ストレスや緊張、不安などの緩和に役立ちます。