乳酸菌が過敏性腸症候群の予防と腸内フローラ改善に効果的な理由
当ブログでは、仕事・出勤・登校前の突然の腹痛を和らげ、過敏性腸症候群を予防するためには、腸内細菌の集まりである腸内フローラを改善することが大切だということについて述べています。
その腸内フローラ改善のために重要な役割を果たすのが、「乳酸菌」です。
乳酸菌の最大の特徴は、腸内環境を正常な酸性に保つことです。
また、乳酸菌には、腸の粘膜のバリア機能を守ったり、腸の炎症を抑えたりする効果があります。
そのため乳酸菌は、腸内環境を正常な酸性に保つことによって、悪玉菌が増殖したり、有害な細菌が体内に侵入するのを防いだりしているのです。
ところで、そもそも乳酸菌とは、主にブドウ糖から乳酸を作り出す細菌の総称のことで、ラクトバチルス、ラクトコッカス、エンテロコッカスなど様々な属の菌がいて、26属400種類以上が発見されているとされています。
ヒト特有の善玉菌であるビフィズス菌も、広い意味では乳酸菌に分類されます。
ちなみに、乳酸菌は乳製品だけに含まれているわけではなく、発酵食品や自然環境の中にも存在しており、大きく動物由来のものと植物由来のものに分けることが出来ます。
動物由来の乳酸菌は、ヨーグルトやくさやなど、動物性の発酵食を作り出す乳酸菌であり、「動物乳酸菌」と呼ばれます。
また、ぬか漬けやキムチ、しょうゆやみりんなど、植物性の発酵食品に含まれていたり、野菜や果物、花などの表面に生息していたりする植物由来の乳酸菌は、「植物乳酸菌」と呼ばれています。
これらのような、食品から摂取した乳酸菌は、腸内フローラに定着させることは難しく、やがて体外に排出されてしまいますが、生きたまま腸まで届けると、3~7日は乳酸や酢酸をせっせと作ってくれるため、腸内環境を酸性に保ってくれます。
さらに、胃酸によって死菌になった場合でも、善玉菌のエサになってくれるため、腸内細菌のバランスを整えるのに役立つと言われています。
そのため、乳酸菌は過敏性腸症候群の症状緩和や予防に効果を発揮してくれると考えられるのです。
ちなみに、乳酸菌のうち、特に植物性乳酸菌ラブレは、過敏性腸症候群の症状改善に効果的だと思われます。
乳酸菌で腸内フローラを改善するには?
では、どのようにしてその乳酸菌を摂取していくことが腸内フローラを改善するために効果的なのでしょうか?
実は乳酸菌を摂る際は、大切になってくるのは、生きているか死んでいるかにこだわるよりも、乳酸菌の数であると言われています。
数は最低でも2億個程度いたほうが、腸内フローラの改善には効果的です。
もちろん、生きたままの乳酸菌を腸内に送り込むにこしたことはないですが、先程も述べたように、口から摂取した乳酸菌のほとんどが胃酸によって死滅して死菌になっていたとしても、乳酸菌が分泌する液が腸内の善玉菌のエサとなって、元々腸にいる乳酸菌やビフィズス菌を増やしてくれるため、乳酸菌の数はやはり多いほうが良いのです。
また腸内フローラは多様性と調和が大切であるため、特定の菌の効果効能だけにこだわるよりも、様々な種類の菌を腸に送り込んでみるほうが、腸内フローラ改善による過敏性腸症候群の症状緩和のためには、有効だと考えられます。
ちなみに日頃から乳酸菌を摂るには、普段の食事でヨーグルトや、漬け物、ぬか漬けといった日本の発酵食などを食べるようにすることが大切です。